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竹本健治のミステリと幻想文学を多方面から堪能する試み。

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澁澤龍彦著『澁澤龍彦書評集成』

書評集成
 澁澤龍彦著『澁澤龍彦書評集成』(河出文庫)が、先ごろ刊行された。(2008.10.20初版発行)
1958年から1987年の間に、澁澤が書いた書評を集大成したもので、澁澤の死後に組まれた本である。
 澁澤の文庫は、幻想文学愛好家にとっては基本文献だから、このブログの読者にもお勧めしておきたいが、ミステリに関係した書評としては、『夢野久作全集』第一巻や、中井英夫『悪夢の骨牌』といった書評、「中井英夫について」といった人物評が含まれているので、注目に値する。
 とはいえ、澁澤は小栗虫太郎の『黒死館殺人事件』(河出文庫)に収められた解説(初出は1969年に刊行された桃源社版の『黒死館殺人事件』の解説である)のなかで、「夢野久作のような田舎者」と書いており、夢野より小栗に好感を持っていた可能性が高い。このことは、『夢野久作全集』第一巻の解説だけからは見えてこないことなので、注意を要する。
 また、「中井英夫について」では、インドネシアで戦争当時バイテンゾルク植物園の園長を務めていた中井英夫の父親、猛之進のことを語り、「この父にしてこの子あり」と書いているが、中井英夫はこの父親の権威主義的傾向に反発を覚えていたふしがあるので、このような人物評を中井がどう受止めたは疑問である。(と書いたところで、河出書房新社の編集部によるこの本の問題点は、初出年が不明であることに気づいた。澁澤の書評・人物評に、周りがどう反応したのか考える際には、これがいつごろ書かれたものかが必要になってくるからである。初出年を調べるためには、河出版の『澁澤龍彦全集』に遡って確認することが必要と思われる。)span>

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テーマ:本の紹介 - ジャンル:小説・文学

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